英選挙管理委員会は22日、主要政党の2017年の政治資金収支報告書を公表した。最大野党・労働党の収入は、メイ首相率いる与党・保守党を約1,000万ポンド上回った。背景には、2015年にジェレミー・コービン氏が党首の座に就いて以降、急激に党員数を伸ばしていることがある。
労働党の収入は5,579万3,000ポンド。うち党費は1,600万ポンドと、コービン党首就任前の2014年の600万ポンドから2.5倍超に拡大した。党員数は昨年末の時点で56万4,443人に上っており、コービン党首の断固とした左派的姿勢とソーシャルメディア上での支持拡大が入党者数増加の追い風となっている。また、「ショート・マネー」と呼ばれる野党補助金とその他の補助金を合わせた収入は743万ポンドだった。
一方、保守党の収入は4,594万7,000ポンド。うち党費は83万5,000ポンドと、2016年の145万9,000ポンドから42.8%減少した。一方、「遺産」と呼ばれる亡くなった党員からの寄付は169万7,000ポンドと、前年から5倍強に増えている。ただ、同党のブランドン・ルイス幹事長は、2016年は例年より飛び抜けて党費収入が多かったため2017年はその反動が大きかったとした上で、直近数カ月はブレグジットの影響もあり12万3,000人の入党があったことを強調している。
今回の結果を受けて、労働党の広報担当者は「ごく一部の大富豪からの寄付に頼る保守党と違い、われわれは全国の党員一人一人の少額の寄付に支えられていることを誇りに思う」とコメントしている。
なお、自由民主党の収入は971万ポンド、スコットランド自治政府のスタージョン首相が党首を務めるスコットランド国民党(SNP)は580万ポンド、欧州連合(EU)離脱派の急先鋒(せんぽう)だった英国独立党(UKIP)は173万9,000ポンドだった。
※本コメント機能はFacebook Ireland Limitedによって提供されており、この機能によって生じた損害に対して株式会社NNAは一切の責任を負いません。