欧州委員会のバルニエ首席交渉官は26日、英国による欧州連合(EU)関税の代理徴収案を拒否する姿勢を示した。この案は、英政府がEU離脱方針の白書の中核的要素で、アイルランドとの国境での煩雑な通関手続きを避ける狙いがあった。
英政府は12日に公表したこの白書の中で、追跡デバイスを利用してEU域外からの輸入品の最終消費地を見極め、英国とEUのどちらの関税が適用されるかを判断する構想を提案。英国がEUの関税を代理で徴収することにより、アイルランド国境の通関を簡易化すると同時に、英国がEU域外諸国との間で独自の関税を設定することも可能になるとしていた。
バルニエ氏はこの日、英国のラーブEU離脱相との会談後の記者会見で、「EUは、EUの統治構造に属さない非加盟国に、関税に関する政策・ルールの適用や、VAT(付加価値税)および関税の徴収を託すことはできない」との考えを示した。英国がかねて、資金と法と国境の支配権を取り戻すとしていることに言及し、「それはEUの関税政策にもあてはまる」と指摘。「いかなる関税取り決めや関税同盟も、この原則を尊重する必要がある」としている。[EU規制]
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