下院は16日、欧州連合(EU)離脱を巡る関税法案を賛成318票、反対285票で可決した。しかし、政府が保守党内のEU離脱派の要求を受け入れて4項目の修正を加えたことに党内のEU残留派が反発し、一部の修正案についてはわずか3票差での可決となった。BBC電子版などが伝えた。
修正は法案の文言を厳格にしたものだが、EU域外からの輸入品に対して英国がEUの関税を徴収するのはEUが英国に対して同じ措置を取る場合に限るとしたほか、英国がEUの付加価値税(VAT)制度から離脱することを明確にしている。
これに対して保守党内のEU残留派は、メイ首相が離脱派に屈服したと批判し、先に閣議で合意して白書として公表した「モノの自由貿易圏」の創設などの提案に沿ったEUとの交渉を危うくすると主張。下院では保守党内の両派で激論が交わされ、修正案の一部の投票では14人の保守党議員が反対に回った。メイ首相は、修正内容は白書と矛盾しないと強調しているが、保守党内の亀裂が深まっていることを示す格好となった、
関税法案は上院での審議に移り、下院ではEU離脱を巡る貿易法案を審議する。これは離脱後にEU域外国との新たな貿易交渉に入るためのものだが、EUの関税同盟への残留を支持する議員からは修正を求める声が出ている。[EU規制]
※本コメント機能はFacebook Ireland Limitedによって提供されており、この機能によって生じた損害に対して株式会社NNAは一切の責任を負いません。