離脱強硬派の閣僚2人が辞任 メイ政権の「柔軟路線」に反発

メイ政権が新たに打ち出した柔軟路線の欧州連合(EU)離脱方針を巡り、ブレグジット強硬派のデービスEU離脱相とジョンソン外相が相次ぎ辞任した。2016年から離脱交渉を先頭で率いてきたデービス氏と「ブレグジットの顔」ともいえるジョンソン氏の離反により、離脱方針を巡る政権内の不和が鮮明化。さらなる離反者も出かねない状況で、メイ首相の立場もにわかに危ぶまれている。BBC電子版が伝えた。

メイ首相は6日、首相の公式別荘「チェッカーズ」で閣議を開催。EU離脱後もモノの取引についてはEUと共通のルールに基づき自由貿易圏を創出することなどを盛り込んだ柔軟路線の交渉方針を提案し、約12時間にわたる協議の末に閣僚の合意を取り付けた。ただ、英国が米国をはじめとするEU域外の国々と独自の通商関係を築くことが大幅に制限される内容となったため、EUとの完全な決別を目指す離脱強硬派の保守党議員からは批判が巻き起こった。

デービス氏はこの閣議から2日後の8日夜に辞意を表明。メイ首相に宛てた書簡の中で、EUのルールに基づく自由貿易圏の創出は、英経済の大半の管理をEUに渡すもので、英国法に基づく管理を本来の意味で取り戻すことができないと指摘。今後の交渉において、EU側からさらなる譲歩の要求を引き出しかねないと警鐘を鳴らした。

これに続いて、ジョンソン外相も9日午後に辞表を提出。メイ首相が議会で新たなブレグジットの交渉方針を説明する直前の発表となった。ジョンソン氏はEU離脱の是非を問う国民投票において離脱派を率いた人物でもあり、メイ首相は2人の離反は国民投票の結果を履行する最善の方法とはいえないと苦言を呈した。

保守党内の離脱強硬派が今後、メイ首相に方針転換を迫ることや退陣を求めることも予想されているが、デービス氏は「それは間違ったことだ」と指摘し、メイ首相と対立する意思はないとコメント。「彼女はいい首相だ。われわれはこの戦略を巡って異なった見解を持っている。彼女の戦略を実行できるEU離脱相を充てるべきだ」と述べた。なお、同氏の辞任を受けてスティーブ・ベイカーEU離脱閣外相も辞任。デービス氏の後任には、元弁護士で離脱強行派のドミニク・ラーブ住宅・地域社会・自治相(44)が充てられ、ジョンソン氏のポストはジェレミー・ハント保健・社会福祉相(51)が引き継ぐ。[EU規制]


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