英国の欧州連合(EU)離脱後の関税のあり方を巡り、メイ首相は閣内に2つのグループを設置し、それぞれ異なる案の検討を命じた。各グループにEU離脱派と残留派の閣僚を配することにより、対立を緩和し意見をまとめる狙い。BBC電子版が11日伝えた。
メイ首相はかねて、英国が離脱後にEU関税同盟にとどまることや、EUと新たな関税同盟を結ぶことを拒否する方針を示している。ただ、EUとの間で通関手続きが再開されれば、膨大な通関コストが発生する。また、英政府はベルファスト合意を支持し、北アイルランド住民に両国間の往来の自由を認めることを約束しているため、アイルランドとの国境に税関を含めた国境設備を設置しないとしている。
政府はかねて、これらの条件を満たす関税のあり方として、英国がEUに代わって関税を徴収する「関税パートナーシップ」案と、テクノロジーを利用して通関手続きを最小限にとどめる「最大効率化」案の2つを検討している。ただ、前者を支持するEU残留派と、後者を支持する離脱派の対立から、議論は平行線をたどっているのが現状。先には、離脱派のジョンソン外相が、メイ首相の推す関税パートナーシップ案を「新たにお役所の仕事を生み出すだけで、狂気の沙汰」と批判していた。
英国はEU離脱交渉の次回会合までに、関税を巡る解決策を示す必要がある。
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