英国のスナク財務相は21日、新型コロナウイルスの感染拡大で影響を受けている事業者向けに、総額10億ポンドの支援を行うと発表した。新たな変異株「オミクロン株」の拡大で、今後数週間にわたり深刻な打撃を受けると予測されるホスピタリティー業界や娯楽業界などが対象。
政府は今回、支援対象には1店舗・施設当たり最大6,000ポンドの一時金を支給する。これは、今年1月に全国的なロックダウン(都市封鎖)が導入された際に支払われた月々の支援額と同程度だという。対象店舗・施設は約20万軒となる見通しで、同支援には計7億ポンドが振り分けられる。劇場や美術館などに対しては、文化復興基金を通じて3,000万ポンドの追加資金が提供される計画という。
政府は併せて、従業員数250人以下の中小企業向けに、傷病手当金制度を再導入すると発表。雇用主は、コロナに関連する従業員の欠勤に関しては1人当たり最長2週間分の手当を受け取ることができる。
英国内の飲食店は、オミクロン株拡大の影響で予約のキャンセルが相次ぐなど、年末の繁忙期に向けて苦境に立たされている。ジョンソン首相は、現時点で規制強化の可能性を否定しておらず、ホスピタリティー業界などからは、数日以内の判断を求める声が上がっている。
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