フランスのマクロン大統領は1日、英国が漁業権付与を拒否したことに伴う制裁措置の導入を延期すると発表した。同大統領は先に、この日中に漁業権が付与されなければ制裁措置を取ると警告していたが、両国間の話し合いが続く間は制裁に踏み切らないとしている。BBC電子版などが伝えた。
両国と欧州委員会、英領チャンネル諸島の代表は同日に解決に向けた交渉を開始し、2日も継続。また4日には、ボーヌ仏欧州問題担当相とフロスト英内閣府担当相が、ブレグジットに絡む問題について協議する予定となっている。
フランス側は、4日の協議が終わるまでは制裁を科さないとする一方で、英国が3日までに漁業権を付与することに期待を寄せている。
英政府は、欧州連合(EU)離脱を受けて結ばれた英・EU間の貿易協力協定(TCA)に基づき、領海内で操業するEU加盟国の漁船に漁業権を交付している。しかし、フランス漁船の約半数が沿岸から6~12カイリ(11.1~22.2キロメートル)の英領海とジャージー島沖で申請を拒否されたことで、フランスが反発。問題に進展が見られなければ通関・検疫の厳格化や英国漁船の入港拒否といった制裁措置を取る方針を表明し、英国への電力供給を制限する可能性も示唆した。
さらに、仏領海で英漁船が拿捕(だほ)されたことで、争いは激化。英国のトラス外相は、フランスが制裁の方針を撤回しない場合は法的措置を取ると表明していた。[EU規制]
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