ドイツのタイヤ・自動車部品大手コンチネンタルは2日、パワートレイン部門のスピンオフ(事業の分離・独立)を検討していると発表した。コンチネンタルはかねて、同部門の新規株式公開(IPO)を年後半に実施する計画を進めてきたが、市況の悪化などを受けて延期。これに代わる新たな選択肢を設けた格好だ。
コンチネンタルは昨年7月、大規模な組織再編に着手。同社をタイヤ、シャシー、パワートレインの3部門に分割するもので、今回のスピンオフはこの一環となる。
分離後のパワートレイン部門の新社名は「ヴィテスコ(Vitesco)・テクノロジーズ」。同社は今回の措置について、パワートレインの電動化を加速させるほか、2020年に検討しているIPOを巡る市況予想の難しさに代わるものと説明する。ただ、IPOの可能性もあるとし、この準備を進めるとともに、同部門のスピンオフについても検討する方針を示した。今後は技術的・法的要件などを考慮しながら、2020年に可能な限り最良の条件でいずれかを実施するとしている。
自動車メーカー各社は、米中貿易戦争やブレグジットなどを背景に業績が低迷している。こうした中、コンチネンタルは8月、通年の売上高とEBIT(利払い・税引き前利益・特別損益除く)ベースの利益率の見通しを、それぞれ約440億~450億ユーロ、7~7.5%程度に下方修正した。[M&A]
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