欧州連合(EU)の統計局ユーロスタットは14日、2019年第2四半期(4~6月)のユーロ圏19カ国の実質域内総生産(GDP、2次速報値)が前期比0.2%増加したと発表した。1次速報値から変化がなく、伸びは第1四半期の0.4%から減速した。圏内最大の経済規模を誇るドイツは、米中貿易摩擦が響き、3四半期ぶりのマイナス成長となった。
国別の成長率を見ると、ドイツはマイナス0.1%。米中貿易紛争に絡み輸出向け製造業部門が不振で、第1四半期の0.4%増からマイナスに転落した。家計最終消費支出と政府最終消費支出は前期から拡大。投資を示す総固定資本形成も伸びたが、うち建設業では減少した。貿易は輸出の落ち込みが輸入のそれを上回り、経済成長を押し下げた。
フランスの成長率は0.2%と、前期の0.3%から減速。スペインは0.5%で、0.2ポイント低下した。イタリアの成長率はゼロ%と、前期から0.1ポイント下がっている。オランダは0.5%となり、第1四半期から横ばい。ユーロ圏外では英国がマイナス0.2%と、前期の0.5%増からマイナスに転じた。
ユーロ圏のGDPは、前年同期比では1.1%拡大。こちらも1次速報値から変化がなかった。EU28カ国全体では前期比で0.2%、年率では1.3%それぞれ伸びた。
国際通貨基金(IMF)は7月に改定した世界経済見通しの中で、今年のユーロ圏19カ国のGDPが前年比1.3%拡大するとし、従来予想を維持。世界経済のリスク要因として、英国の合意なきEU離脱の可能性を挙げている。一方、外需の回復が見込まれるほか、ドイツの新車販売の落ち込みやフランスの反政府デモといった一時的要因が解消に向かう見通しのため、年後半から来年にかけては伸びを予想。2020年の見通しは1.6%とし、前回から0.1ポイント引き上げた。
ユーロ圏の第2四半期GDPの改定値は9月6日に発表される予定。
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