英中銀イングランド銀行は1日に開いた金融政策委員会(MPC)で、政策金利を0.75%に据え置くことを決めた。金融資産購入による量的緩和策の規模についても、4,350億ポンドで維持している。いずれも大方の予想通り。ただ、向こう2年に予想を上回る利上げを行う可能性を示唆している。
議事録によると、据え置きは委員9人の全会一致で決定した。中銀は昨年8月に政策金利を0.25ポイント引き上げて以降、据え置きを続けている。
英中銀は併せて公表したインフレ報告書で、現在の市場予想通り向こう3年に0.25ポイントの利上げを1度行うだけでは、景気が過熱し過ぎて、インフレ率が目標の2%を上回るとの見方を示した。カーニー総裁は「この予想が実現した場合、今後2年に市場予想を上回る頻度での利上げが必要となる」と指摘。「ただ、今回のMPCで利上げを行う必要はなかった」と説明している。
3月のインフレ率は2月と同水準の1.9%となり、中銀が目標とする2%をわずかに下回っている。
■今年の成長見通しを引き上げ
中銀はインフレ報告書で、今年の国内総生産(GDP)成長率の見通しを1.5%とした。ブレグジットに備えた企業の備蓄需要を背景に第1四半期(1~3月)の成長率が予想を上回ったため、前回2月の予想から0.3ポイント引き上げている。2020年の成長率見通しも1.6%と、0.1ポイント上方修正。2021年には前回予想を0.2ポイント上回る2.1%に加速するとみている。
失業率は今後も低下傾向が続き、2022年までに3.5%に改善すると予想。これは、1973年以降で最低の水準となる。[労務]
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