ドイツ連邦統計庁は14日、2024年の対米国輸出が全体の10.4%を占め、中国を抜いて最大の輸出相手国になったと発表した。対米輸出高は02年以降で最高の1,613億ユーロ。16~23年にかけて最大の輸出先だった中国だが、同国の経済減速などを受けて落ち込んだ。
輸出のうち、対米国のシェアが最も大きかったのは医薬品で23.8%(270億ユーロ)。航空・宇宙関連が17.1%(58億ユーロ)、光学・写真機器が14.9%(118億ユーロ)、自動車が13%(340億ユーロ)で続いた。
一方、米国からの輸入高は全体の7%に当たる915億ユーロ。部門別で最もシェアが大きいのは光学・写真機器の19.9%(91億ユーロ)で、医薬品の16.9%(121億ユーロ)、航空・宇宙関連の15.9%(19億ユーロ)が続く。ドイツにとって米国は3位の輸入相手国で、1位は中国、2位はオランダだった。
米国からの輸入割合を品目別でみると、大豆が64.1%、エンジン・ガスタービンが49.5%に上るなど、極端に依存度の高い品目がある。統計庁は「米国は3位の輸入相手国であるにもかかわらず、ドイツは多くの分野で相当量を米国から輸入している」と指摘した。
ドイツの製造業は輸出の割合が高まっており、欧州連合(EU)加盟国の中でも関税の影響を受けやすいとされる。統計庁は「米国の関税は、製薬業界や医療技術、自動車、機械工学といった分野に特に大きな打撃を与える」としている。
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