米国のトランプ大統領は12日、ロシアのプーチン大統領、ウクライナのゼレンスキー大統領と相次いで電話会談を実施した。間もなく3年を迎えるロシア・ウクライナ戦争の終結に向け、プーチン氏とは「直ちに交渉を開始する」ことで合意したと発表。ゼレンスキー氏との協議も「非常にうまくいった」と述べた。ただ、プーチン氏が条件としているロシアへの領土割譲やウクライナの北大西洋条約機構(NATO)加盟を巡る問題など課題は山積しており、交渉がトランプ氏の思惑通り進むかは不透明だ。
トランプ氏とプーチン氏の協議は1時間以上にわたった。トランプ氏は会談内容について、「(プーチン氏は)平和を望んでおり、戦争を終わりにしたいと言っていた。おそらくそう遠くない未来に戦争は終結するだろう」とコメント。対面での会談の予定について問われると、「おそらく、まずはサウジアラビアで行う」と答えた。現時点で日程は未定だが、こちらも「そう遠くない未来」だとしている。
その後に行ったゼレンスキー氏との協議では、プーチン氏との会談内容を伝えたという。ゼレンスキー氏は「平和の実現に向けて、彼(トランプ氏)が真摯(しんし)に思いを寄せてくれたことに感謝している」と述べた。ゼレンスキー氏は14日に独ミュンヘンで開催される安全保障会議に出席する予定で、米国からはバンス副大統領やルビオ国務長官が参加する。
トランプ氏は会談後、ホワイトハウスで記者団からウクライナのNATO加盟について問われると、「現実的だとは思わない」と回答。ロシアの占領下にあるウクライナ領についても、2014年の南部クリミア半島の併合以前の領土を「全て回復できる可能性は低い」と述べた。停戦交渉はまず米国とロシアで進められるもようで、ロシアに有利な形で進む危険性も指摘される。
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