欧州委員会のフォンデアライエン委員長は21日、前日に就任した米国のトランプ大統領と早期に対話・交渉する姿勢を示した。一方で、トランプ氏が全輸入品に10~20%の関税を課す方針を示していることなどを念頭に、「世界経済のつながりを断つことは誰のためにもならない」と貿易戦争を回避する必要性を訴えた。
フォンデアライエン氏は、スイスで開催中の世界経済フォーラム(WEF)の年次総会(ダボス会議)で演説した。その中で、「われわれの最優先事項は、(米国と)早期に関与し、共通の利益を議論して、交渉の準備を整えることだ」と述べた。対話では、現実的なアプローチをとるものの、常に欧州の利益と価値観を守る姿勢を強調した。
また、同氏は、原材料や新技術、貿易ルートを巡る地政学的競争の激化に触れ、「各国が自国経済や安全保障確保のために、制裁や輸出規制、関税といった経済的手段に訴える可能性が高まっている」と指摘。ただ、こうした措置の行き過ぎは技術革新や経済的繁栄を損なうと警鐘を鳴らした。
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