欧州経済研究センター(ZEW)は18日、2月のドイツ連邦議会(下院)選挙で政権奪還を目指す最大野党、キリスト教民主同盟(CDU)・キリスト教社会同盟(CSU)連合の公約が、高所得者層に有利だとの調査結果を発表した。主要な支持率調査で2位につける右派政党「ドイツのための選択肢(AfD)」も高所得者層に恩恵があり、低・中間所得層では手取りが減少することも明らかになった。
ZEWは南ドイツ新聞と共同で、各政党が掲げる税、最低賃金、社会保障などの主要政策が家庭に与える影響を分析した。
年間世帯収入が4万ユーロで、夫婦のどちらかのみが働いており、子どもが2人いる世帯が最も恩恵を受ける政党は左派党で、年6,150ユーロ手取りが多くなる。左派ポピュリズム政党「ザーラ・ワーゲンクネヒト同盟(BSW)」では1,010ユーロ、与党・緑の党は870ユーロ、もう一つの与党・社会民主党(SPD)では、860ユーロ手取りが増える。CDU・CSU連合は300ユーロにとどまっている。
一方、AfDの政策が実行された場合、手取りは440ユーロ減少する。さらに、企業寄りの政策を掲げる自由民主党(FDP)では、1,520ユーロの手取り減となる。両党の政策は、年収6万ユーロ以上の世帯には大幅な恩恵があることも分かった。
年間世帯収入が18万ユーロ、夫婦のどちらかのみが働いており、子どもが2人の家庭では、AfDの政策で手取りが1万9,190ユーロ増える。FDPでは1万1,990ユーロの増加で、これにCDU・CSU連合が、5,840ユーロ増で続いた。富裕層への課税を強化する方針の左派党では、800ユーロ手取りが減り、BSWは増減なし、緑の党は100ユーロの増加にとどまった。SPDの政策では、2,200ユーロの増加と推計した。
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