国際通貨基金(IMF)は28日公表したドイツ経済に関する最新報告書で、新たな借り入れを制限する「債務ブレーキ」を緩和することを提言した。リントナー財務相はかねて、債務ブレーキをあくまで順守する姿勢を示しているが、IMFはこれを緩和して公共投資を増やすべきとしている。
IMFは「ドイツの債務ブレーキは比較的、厳しい水準に設定されているため、これを約1ポイント緩和しても公的債務の対国内総生産(GDP)比率の低下傾向は保たれる」と指摘。「これにより、必要とされる公共投資や他の優先課題に資金を振り向ける余裕が生まれる」としている。
ロイター通信によると、財務省筋はIMFの提言について、「債務ブレーキを修正すれば、ようやく減速し始めたインフレを再びあおる危険性がある」とコメント。この結果、金利が上昇する恐れもあるとしている。
ドイツの債務ブレーキは憲法で定められた規定で、構造的財政赤字の上限を対GDP比で0.35%に定めるもの。2020年度以降はコロナ禍やロシアのウクライナ侵攻を受け停止されていたが、ドイツ政府は2月に成立した24年度予算で5年ぶりに復活させ、この上限を順守している。
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