ロンドンで28~29日、政府が主催する「国際投資サミット」が開かれる。スナク首相はこれに先立ち、世界各国の民間企業から総額295億ポンドの投資を確保したと発表。先端技術やライフサイエンス、インフラ、再生可能エネルギー、住宅などのプロジェクトが対象で、1万2,000人以上の雇用の創出につながるとしている。
最大規模の案件はオーストラリアの投資会社IFMインベスターズによるもので、向こう4年間にインフラやエネルギー転換などのプロジェクトに100億ポンドを投資する。今回のサミットに併せて政府との覚書を調印した上で、具体的な投資機会を見極めるとしている。
このほか、スペインの電力大手イベルドローラは、2024~28年の投資計画120億ポンドのうち70億ポンドを英国に振り向ける。オーストラリアの投資ファンド、アウェア・スーパーは、住宅、ライフサイエンス、ハイテク、デジタルインフラの各分野で50億ポンドの投資を予定するほか、米国のマイクロソフトは25億ポンドを投じて人工知能(AI)インフラを構築する。
スナク首相は、これら民間投資の総額は21年の前回サミットでの獲得額の3倍に上ると強調。今回のサミットでは、世界の大手投資会社や企業のトップなど200人以上の参加者に、投資先としての英国の魅力をアピールしていく考えだ。
ロイター通信によると、欧州連合(EU)離脱を受けた規制関連の先行き不透明感や政治的混乱で、世界の投資家の間では英国の魅力が低下したのと見方がある。英国の新規海外直接投資(FDI)プロジェクトの件数は低下傾向にあり、フランスに欧州首位の座を奪われている。こうした中、政府は新年度予算案で、設備投資の全額を税控除の対象とする措置の恒久化を打ち出した。
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