英国のスナク首相は13日、公務員の給与引き上げを発表した。上げ幅は5~7%で、数カ月に及ぶ労働組合の賃上げ要求を鎮静化させる狙い。
グレン財務省経済担当政務官によると、警察官と軍人の給与は7%、教員は6.5%それぞれ引き上げられる。国民医療制度(NHS)のジュニアドクターや歯科医、一般開業医(GP)は6%の賃上げ。ジュニアドクターにはさらに1,250ポンドが上乗せされる。
政府は賃上げの財源について、2年間で14億ポンド以上の追加予算を教育省の既存予算から拠出し、新たな借り入れや支出はないとした。またスナク首相は、英国へのビザ申請手数料や、NHSを利用するために支払う賦課金を大幅に増額することで、10億ポンド以上を捻出すると述べた。
スナク首相は記者会見で「これが最終回答だ。今後ストライキが実行されても、政府の決定は変わらない」としている。
教育労組は「教員はストライキを中止し、政府との正常な関係を再開することができる」と今回の発表を歓迎した。一方、イングランドのジュニアドクターは、35%の賃上げを求めたが拒否されたため、ストを開始した。
英国では2022年以降、合計で約400万日相当のストがさまざまな業種で行われ、13億ポンドの損失を招いている。[労務]
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