英国政府は5日、欧州連合(EU)離脱後の通関検査の新モデル案を公表した。10億ポンド超を投じて輸入品の通関手続きの簡素化と迅速化に取り組み、多くの輸入品目で貨物検査の必要性をなくすとしている。
英国は2021年1月にEU離脱後の移行期間が終了し、EU単一市場から正式に離脱したが、港湾施設で混乱が生じることへの懸念や、コロナ禍およびウクライナ危機の影響を理由に、EUからの輸入品に対する本格的な通関検査はまだ導入していない。
政府は今回、「ターゲット・オペレーティング・モデル」と呼ばれる新制度案を公表。EU域内を含む全ての国からの輸入品を対象に、多くの品目で貨物検査を不要にするとしている。また、必要な貨物検査は港湾施設に到着する前に実施し、国境での遅延を避ける。
書類検査については単一の窓口を設け、輸出入業者が1カ所で1度だけ書類を提出すれば済むようにする。この窓口は27年までに本格的な稼働を開始するとしている。
政府は新モデルについて6週間にわたり意見公募を実施し、年内に最終案を公表する。
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