フランスの元老院(上院、定数348)は11日、年金改革法案を195対112の賛成多数で可決した。これにより、受給開始年齢の段階的な引き上げがほぼ確定した。今後は元老院と国民議会(下院)の代表各7人から成る合同委員会が最終法案を作成する。最終法案は両院での可決を経て、近く成立する見通しだ。
ボルヌ首相は、年金制度を存続させるために必要な改革を進めることができるとして、今回の動きを歓迎。政府はかねて、受給開始年齢を現行の62歳から2030年までに64歳に引き上げることで年間180億ユーロを節減し、年金制度を赤字から脱却させると説明していた。
マクロン大統領は17年の就任以降、年金制度改革を公約に掲げてきたが、国民の反発は強くこの日も複数の都市でストライキが行われた。労働総同盟(CGT)によると、ストには100万人近くが参加。パリでは廃棄物の回収が行われなかったほか、航空便の20%前後が欠航となった。ただ、内務省は今回のストの参加者は推定36万9,000人と発表している。[労務]
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