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露、新START停止を承認 ウクライナ巡り欧米と対立深まる

ロシアの国家会議(下院)と連邦会議(上院)は22日、米国と2010年に締結した新戦略兵器削減条約(新START)の履行を停止する法案をそれぞれ可決した。新STARTは、両国間で唯一残る核軍縮条約だが、プーチン大統領はこの前日、同条約を停止すると発表し、議会に法案を提出していた。国連は両国に対し、履行の再開を求めている。

同大統領は21日に行った年次教書演説で、「欧米諸国がロシアを戦略的に打ち負かし、わが国の核施設に忍び込むことを狙っている」と批判し、新STARTの履行を停止する方針を示していた。

国連のドゥジャリク事務総長報道官はこれを受け、米国とロシアに同条約の完全履行を遅滞なく再開するよう呼びかけた。

新STARTでは、両国の戦略核弾頭の配備数が各1,550発に制限されるほか、大陸間弾道ミサイル(ICBM)や潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)、重爆撃機の配備にも上限が課される。同条約の現在の期限は、26年2月5日。同条約が破棄されたり、26年以降に延長されなければ、ウクライナを巡るロシアと欧米の対立が深まる中で新たな軍拡競争が始まる恐れもある。

ただロイター通信によると、ロシア国防省高官であるエフゲニー・イリン少将は下院での答弁で、新STARTの履行停止後も引き続き核ミサイルや重爆撃機の配備数の上限を守る方針を示した。また、「誤った警戒を避け、戦略的安定を維持するため」に、核弾頭の配備数については今後も米国に通告するとしている。

ロシア政府のペスコフ報道官は、ロシアが新STARTの履行を再開する条件について、「すべては西側諸国の姿勢にかかっている」とし、「ロシアの懸念を考慮する意欲が見られれば、状況は変わるだろう」と話している。


関連国・地域: ロシア米国
関連業種: マクロ・統計・その他経済政治

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