ドイツ最大の労働組合である金属産業労組IGメタルは18日、金属・電気部門で働く従業員390万人について、2023年6月から5.2%の賃上げで経営側と合意したと発表した。24年5月にはさらに3.3%が上乗せされる取り決めで、計8.5%の賃上げとなる。5度の交渉やストライキを経て、大幅な給与アップを勝ち取った形だ。
基本給の引き上げに加え、非課税の一時金3,000ユーロも支給される。インフレ加速に伴うエネルギー・食料価格の高騰を補填(ほてん)するもので、支払いは23年3月と24年の2回に分けられる。
IGメタルのイェルク・ホフマン委員長は「従業員の懐は間もなく大きく潤うことになる」と満足感を示した。一方、経営側の交渉担当者は「痛みを伴うが、大企業にとって辛うじて耐えられるもの」とコメント。双方はエネルギー危機が深刻化した場合、迅速かつ柔軟に対応することでも合意している。
IGメタルはかねて、インフレ加速や企業の増益に見合った賃上げを要求。6月には、鉄鋼業界と過去30年間で最大となる6.5%の賃上げで合意していた。[労務]
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