英国のトラス新首相は8日、エネルギー価格高騰に対処するための支援策を発表した。10月から向こう2年間、標準的な世帯で光熱費の上限を年間2,500ポンドに凍結するほか、企業向けには6カ月間、同等の支援を提供する。これにより、インフレ率は最大5ポイント押し下げられる見通し。全体の費用は明らかにされていないが、政府の借り入れは1,000億ポンド以上膨らむとみられる。
今回の支援策には、トラス氏が公約していたエネルギー料金に上乗せされるグリーン賦課金の停止も含まれる。2,500ポンドの上限は、この賦課金の停止による150ポンド相当の負担減が適用された後の金額だ。なお政府は7月、今冬に光熱費を400ポンド割り引く支援策を発表しており、これと合わせると1年間の上限額は実質2,100ポンドに低下。現行の価格上限である1,971ポンドをやや上回る水準となる格好だ。
エネルギー業界の監督機関Ofgemは先に、10月から電気・ガス料金の上限を80%引き上げると発表。標準的な世帯の場合、年間の価格上限は3,549ポンドに上がるとしていた。
企業向け支援策についての具体的な金額は明らかにされていないが、卸売価格の補助のため介入する方針。まずは6カ月支援し、その後については対象を絞るべきか検討するとしている。
トラス氏は併せて、2040年までに英国をエネルギー純輸出国にすることを目指し、エネルギー安全保障を優先すると発表。北海での石油・ガス生産を拡大するため、近日中に100件以上のライセンスを発行するとしている。
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