英国の保守党党首に選出されたエリザベス・トラス外相(47)は6日、首相に就任した。同国で3人目の女性首相誕生となった。物価高騰やエネルギー危機などの課題が山積する中、就任演説では家計負担を軽減することを改めて約束した。
ジョンソン前首相はこの日朝、首相官邸前で退任演説を行い、新政権への支持を表明した。その後スコットランド北部のバルモラル城でエリザベス女王に辞意を伝えて正式に辞任。トラス氏はこれに続き女王から任命を受け、新首相に就任した。
トラス氏は就任演説で、施政の優先事項として、経済とエネルギー、国民医療制度(NHS)の3点を挙げた。減税と改革を通して経済成長を促進する大胆な計画が必要と強調。週内にエネルギー危機への対策を発表し、エネルギー価格高騰に対処するとともに今後のエネルギー供給を確保するとした。医療アクセスへの改善も約束した。
報道によると、同氏は光熱費の上限を年間2,500ポンド程度に凍結する案を打ち出すとみられている。
トラス氏は就任後、組閣に着手。新たな財務相にはクワーテング民間企業・エネルギー・産業戦略相が、外相の後任にはクレバリー教育相が指名された。トラス氏を支持していたブレイバーマン法務長官は内相に就任する。保健・社会福祉相に指名されたコフィ雇用・年金相は副首相も兼任する。
なお、5日に保守党党首選の結果が発表され、トラス氏の勝利が決まったことを受け、パテル内相とドリーズ・デジタル・文化・メディア・スポーツ相は辞任を発表していた。
トラス氏の就任で、「鉄の女」と呼ばれたマーガレット・サッチャー氏、ジョンソン氏の前任テリーザ・メイ氏に続く3人目の女性首相が誕生した。トラス氏は英オックスフォード大学を卒業後、石油大手シェルなどでの勤務を経て、2010年に保守党議員として初当選。14年には環境・食料・農村相として初入閣し、メイ政権では法相を、ジョンソン政権では国際貿易相と外相を務めた。
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