ドイツのエネルギー大手ユニパー(Uniper)は29日、ドイツ復興金融公庫(KfW)が割り当てた90億ユーロの融資枠を全て使用し、追加で40億ユーロの融資枠を申請したと発表した。ロシアからのガス供給が減少し、ガスと電力の価格が高騰する中で、短期的な流動性を確保する必要があるとしている。
同社はこの日、KfWの融資枠から20億ユーロを借り受け、既存の融資枠を全て使用。これに加え、融資枠の拡大を要請した。
ユニパーは、6月以降にロシアからのガス供給契約が一部しか履行されず、供給が2割まで減っていると説明。不足分を補うため、市場から著しく高い価格で調達していることから、1日当たり1億ユーロ以上の損失が出ているという。
さらに、エネルギー価格の高騰に伴い、ガスと電力の売買取引に必要な証拠金が増額。これが流動性に大きな影響を及ぼしているという。
同社は先に、ドイツ政府と救済パッケージで合意した。政府は10月1日以降、ガスの代替調達に伴う増加分の9割を消費者に転嫁することを可能とするメカニズムを導入。KfWの融資枠を従来の20億ユーロから90億ユーロに拡大した。救済策の一環として、政府はユニパーの株式30%相当を取得する。
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