ドイツ政府は24日の閣議で、9月から公共施設の暖房を制限すると共に、建物や記念碑向けの景観照明を禁止する法案を採択した。ロシア産天然ガスの供給減を受けガス備蓄量が低下する中、エネルギー消費量を抑制する狙い。
病院や介護施設を除く公共の建物では9月1日以降、暖房の上限温度を摂氏19度に制限し、廊下や玄関などでは使用を禁止する。また、建物や記念碑などの景観照明を禁止するほか、照明を利用した広告は午後10時から午前6時まで消灯を義務付ける。個人宅のプールでの温水使用も禁止となる。
ロイター通信によると、ハーベック副首相兼経済・気候保護相は、これらの措置によりガス消費量を2%削減できるほか、一般世帯や企業、公共部門では向こう2年超で計108億ユーロの光熱費節約につながるとみている。同相は、「全体として省エネにはなるが、十分安心できる水準ではない」とコメントしている。
政府は併せて、国内の一部鉄道網で旅客よりも石炭輸送を優先する法案も閣議決定した。内陸輸送の要であるライン川の水位低下を受け、石炭の水上輸送に影響が生じていることが背景にある。
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