英国のジョンソン首相とスナク財務相は12日、新型コロナウイルス規制下の2020年6月に首相官邸で開かれたジョンソン氏の誕生日パーティー出席を巡り、ロンドン警視庁から罰金を科されたことを認めて謝罪した。同国で現職の首相が法律違反の処罰を受けるのは初めて。野党からの辞任圧力が強まる一方、両氏とも辞任せず責務を全うする意向を示している。
ジョンソン氏は、誕生日の集まりは10分以内で、規制違反だとは思いも寄らなかったが、警察の捜査結果を尊重すると弁明。政府が導入した規制を自身が守れなかったことに対する国民の怒りは理解できるとしながらも、経済強化をはじめとする国民のための優先事項により一層の責任を感じるとし、辞任は否定した。なお、50ポンドとされる罰金は、直ちに支払ったという。
一方、スナク氏も罰金支払いを認め陳謝。「首相と同様、この困難な時に国民のための職務を果たすことに注力する」としている。
なお、ジョンソン氏の誕生日パーティーを巡っては、同氏の妻キャリーさんにも罰金が科された。この会合は屋内での集まりが禁止されていた20年6月19日に閣議室で開かれ、キャリーさんもサプライズパーティー開催に協力したと報じられている。
今回の問題を受け、野党からはジョンソン氏とスナク氏に対する批判が噴出。最大野党・労働党のスターマー党首やスコットランド自治政府のスタージョン首相らは辞任を要求している。一方、トラス外相は、ジョンソン氏とスナク氏が多くの面で英国に貢献していると擁護した。
ロンドン警視庁は、20年5月~21年4月に首相官邸と官庁街ホワイトホールで開かれた12件のコロナ規制違反パーティー疑惑の捜査を行っており、これまでに50件以上の罰金通知を送付している。
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