英国のジョンソン首相は16日、アラブ首長国連邦(UAE)とサウジアラビアを訪問し、両国の首脳とそれぞれ会談した。ロシアのウクライナ侵攻を受けた原油の供給不安と価格高騰の緩和に向け、協力を要請する狙い。
ジョンソン首相は両国訪問に先立ち、「世界はロシア産の石油・ガスへの依存を減らす必要がある」と強調。「サウジとUAEはこうした取り組みの鍵となる国際パートナー」との考えを示していた。
同首相はUAEの首都アブダビで、アブダビ首長国のムハンマド皇太子と会談。英首相官邸によると、ジョンソン首相は世界エネルギー市場の安定化に向けた協力の重要性を強調した。会談ではエネルギー安全保障のほか、グリーン技術や貿易についても協議が行われた。
ジョンソン首相はこの後、サウジの首都リヤドに到着した。同国のムハンマド皇太子との会談では、原油の増産を要請するとみられている。英国内では、サウジ政府が先に、81人の死刑執行に踏み切ったことから、同首相の訪問を批判する声も上がっている。このため、ジョンソン首相は同皇太子との会談で人権問題にも言及する姿勢を示している。
英国はウクライナ侵攻を巡る制裁の一環として、年内にロシア産原油の輸入を段階的に停止する方針を打ち出している。ロシア産原油は英国の総需要の8%を占める。
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