ドイツ政府は26日発表した年次経済報告書の中で、今年の経済成長率が3.6%になるとの見通しを示し、昨年10月時点の4.1%から引き下げた。新型コロナウイルスの変異株「オミクロン株」のまん延により、再び規制が導入されたため。今年のインフレ率については、昨年よりも加速するとみている。
ハベック副首相兼経済問題・気候保護相は「新型コロナのパンデミック(世界的大流行)の影響は依然として大きい」とした上で、「それでもなお、国内経済は堅調だ」と強調。春には感染者が減少して規制を解除できるようになるため、景気回復が加速すると予想した。
また、供給のボトルネックが徐々に解消し、産業は生産の大幅な拡大が再び可能になると予測。今年の経済成長はパンデミック以前の水準に戻るとの見方を示した。
インフレ率については、昨年の3.1%から今年は3.3%に加速すると予想。これはエネルギー価格の上昇に加えて、半導体など中間財不足が引き続き全体の価格を押し上げるためで、政府はインフレ率の推移と物価上昇の主な要因を注意深く監視する考えを示した。ただ同相は、インフレ率は来年には欧州中央銀行(ECB)が目標とする2%前後まで低下するとの見通しを示している。
政府は、物価上昇に伴い、労働組合が賃上げ要求を強める可能性が高いと予想するが、パンデミック前に見られたような過剰な要求を突きつけることはないとみている。また、今年の失業率は5.1%まで低下すると予測している。
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