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独3党、連立政権樹立で合意 首相にショルツ氏=気候変動に軸

9月のドイツ連邦議会選挙で第1党となった中道左派・社会民主党(SPD)と環境政党・緑の党、リベラル派の自由民主党(FDP)の3党は24日、連立協定で合意に達した。新政権は、気候変動対策や福祉政策に力を入れる方針。政権発足は12月上旬が見込まれ、SPDのショルツ財務相が首相に就任する見通し。

3党は連立合意を受け、向こう4年間の政策綱領を発表。これには石炭火力発電の廃止時期を、これまでの2038年から30年に前倒しし、45年までのカーボンニュートラル実現を追求することが盛り込まれた。再生可能エネルギー由来の電力使用を大幅に増やすための投資も拡大する。3党が先に合意していた、増税せず、新たな借り入れを制限する「債務ブレーキ」の順守も強調した。

また、30年までに鉄道での貨物輸送量を25%増やすとともに、国内で少なくとも1,500万台の電気自動車(EV)の投入を目指す。欧州域内の航空便には追加サーチャージを要求することも含まれた。

3党が公約に掲げていた大麻使用については、販売の合法化に向けた法改正を目指す。他にも、最低賃金を時給12ユーロに引き上げ、投票年齢を現行の18歳から16歳に引き下げる考え。

さらに、住居不足問題に対処すべく年40万棟の住居を新設し、うち10万戸は公営住宅として運営することや、大家が3年間で家賃を11%以上引き上げることを禁止する制度の導入も検討する。

移民政策については、同国の移民は5年の滞在後に市民権の申請ができ、2重国籍も認める方針。これにより、移民の多くを占めるトルコ系移民や長期にわたり居住しているものの外国籍の保有を余儀なくされている移民に対する道が開かれるとしている。また、高技能労働者の受け入れ拡大に向け、移民制度をポイント制に変更することなども盛り込まれた。

併せて、新政権の閣僚については、SPDからは6人、緑の党からは5人、FDPからは4人をそれぞれ選定する方針。現時点では、外相には緑の党のベーアボック共同党首が、財務相にはFDPのリントナー党首が起用される見通しという。

今回の合意内容については、SPDとFDPは党大会で、緑の党は党員投票でそれぞれ承認を得る必要がある。その後、連邦議会での承認を得て、12月上旬に正式に政権を発足させる見通し。なお、ドイツで3党連立政権が樹立されるのは1950年代以来となる。また、ドイチェ・ウェレは関係者の話として、議会が12月の第2週にも、ショルツ氏を次期首相として選出する可能性があると報じている。


関連国・地域: ドイツ
関連業種: 政治

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