英政府は24日、イングランドとウェールズ、スコットランドで販売される製品向けの安全基準認証「UKCAマーク」の完全適用を、2023年1月まで延期すると発表した。メーカーはそれまで、欧州連合(EU)の安全基準認証「CEマーク」を引き続き使用できる。
EU離脱を受け、政府は今年1月にCEマークに代わるUKCAマークを導入。当初は年末までCEマークも使用可としていたが、新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)を受け苦境にあえぐメーカーに対応する時間を与えるため、今回これを1年後ろ倒しした。
政府はUKCAマークの導入により、高い安全基準を維持したまま規制を管理できるとする。しかし企業からは、事務作業の増加や生産ラインの変更といった負担に反発の声が上がっている。
英商工会議所(BCC)のウィリアム・ベイン氏は移行期間の延長を歓迎しながらも、自動車業界など複雑なサプライチェーン(部品の調達・供給網)に関わる企業は、UKCAマークとCEマークの二重対応に多額のコストがかかると指摘。生産性が低下し消費者への供給が制限されるほか、英国企業のコスト負担を増やす可能性があるとしている。
なお北アイルランドでは、CEマークの使用が継続されている。
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