ドイツの今年の温室効果ガス排出量は、二酸化炭素(CO2)換算で昨年を4,700万トン上回り、1990年以降で最大の伸びを記録する――。同国のシンクタンク、アゴラ・エネルギーウェンデ(Agora Energiewende)がこうした見通しを明らかにした。新型コロナウイルス危機の影響で昨年に排出量が減少した反動が大きい。
アゴラ・エネルギーウェンデは、今年上半期(1~6月)の排出量に基づき、通年の排出量がCO2換算で7億6,000万~8億1,200万トンになると予想している。
ドイツは、20年までに温室効果ガス排出量を90年の水準と比べて40%削減することを目指していた。昨年はコロナ禍を受けこれを達成したものの、今年の排出量は90年比で約37%減となり、再び目標から遠のいた格好となる。
また今年は、国内の建物や産業、運輸の各部門を通じて、化石燃料の消費量が大幅に増えたとみられている。これが確定すれば、ドイツ政府は各分野の排出量削減に向け緊急措置を取ることを法的に義務付けられる。
ドイツ政府は5月、温室効果ガスの排出量を45年までに実質ゼロとする目標を打ち出した。従来は50年までの実質ゼロ達成を目指していたが、これを5年前倒しした格好。これに向け、30年までに90年比で65%減、40年には88%減を目指すとしている。[環境ニュース]
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