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公会計委、接触追跡プログラムの効果疑問視

英下院の公会計委員会は10日、国民医療制度(NHS)が運用する新型コロナウイルス検査とそれに基づく感染者との接触追跡プログラム「テスト&トレース」の効果が不明瞭との調査結果を発表した。2年度にわたり割り当てられている370億ポンドの予算の正当性を疑問視している。

同プログラムは、昨年5月に導入されたもので、新型コロナウイルス感染症の症状がある全ての人に検査を行うとともに、感染者と濃厚接触した人を特定し、14日間の自主隔離を要請する。同委は、保健・社会福祉省がこれにより2度目のロックダウン(都市封鎖)を避けられるとして大型予算を正当化したが、その後2度のロックダウンが導入されたと指摘。効果を判断する明確な証拠は示されていないとしている。

また、プログラムがコンサルタントに依存し過ぎており、中には1日当たりの報酬が6,600ポンドを超える担当者もいることや、昨年9月の検査需要の急増に対応できなかったことなどを問題視。検査能力が大幅に拡大したことは認めつつも、対面式の検査結果を24時間以内に知らせるという目標は達成できていないとしている。

さらに、同10月に感染が拡大しても接触追跡に確保された人材は半分の時間しか追跡に当たっていないことや、自主隔離の要請が守られていないことも指摘している。今年1月までに、陽性が判明した250万人と連絡を取り、450万人以上の濃厚接触者に自主隔離を要請した。

シャップス運輸相はこの報告について、論理的でないとコメント。南アフリカ型とブラジル型の変異株の感染確認がそれぞれ285件、6件に抑えられたのは、テスト&トレースのおかげだとしている。


関連国・地域: 英国
関連業種: 医療・医薬品マクロ・統計・その他経済社会・事件

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