ドイツの総合電機大手シーメンスのエネルギー部門「シーメンス・エナジー」は28日、フランクフルト証券取引所に上場した。時価総額は約160億ユーロとなり、今年に入ってからは欧州で最大規模の上場案件となる。
初値は1株当たり22.01ユーロを付けた。アナリストらは、時価総額は170億~240億ユーロになるとみていた。
シーメンスはスピンオフ(事業の分離・独立)に伴い、シーメンス・エナジー株55%を、シーメンス株2株当たりシーメンス・エナジー株1株の比率で既存株主に割り当てる。シーメンスの持ち株比率は35.1%となり、残りの9.9%は同社の年金基金が保有する。シーメンスはまた、向こう12~18カ月でさらなる株式放出を計画している。
シーメンスは2月、事業再編計画の一環で、シーメンス・エナジーを9月末までにスピンオフすると発表。8月には、新型コロナウイルスのパンデミック(世界的流行)による事業への影響が懸念される中、この計画を予定通り実施する方針を改めて示していた。
シーメンス・エナジーは、ガスタービンや発電機、コンプレッサーなどを手掛け、従業員数は世界全体でおよそ9万1,000人。ここ数年は業績悪化に苦しんでおり、昨年には世界全体で2,700人を削減する方針を明らかにした。昨年の売上高は約288億ユーロだった。[M&A]
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