スナク財務相は8日、建物のエネルギー効率化に向けた総額30億ポンドの支援策を発表する。新型コロナウイルスの流行で打撃を受けた国内経済の立て直しを図るとともに、2050年までに炭素排出量を実質ゼロにするという政府目標の達成を目指す。BBC電子版などが7日伝えた。
30億ポンドのうち20億ポンドは一般家屋向けで、床や壁、屋根裏の断熱工事のほか、二重ガラス窓への取り替えなど、エネルギーを効率化する改修費を補助する。費用の少なくとも3分の2を対象に、最大5,000ポンドを支給するが、低所得者層には最大1万ポンドを補助する。
業者が見積もりを提出して承認されれば、バウチャーを発行する仕組みで、9月にも補助を開始する見通し。世帯によっては、年間600ポンドの光熱費を節減できるという。残りの10億ポンドは、学校や病院など公共の建物の断熱工事や公営住宅に対する低炭素の暖房技術の導入などが対象となる。
支援の期間は1年間で、これにより10万人以上の雇用を支えるという。与党・保守党は、昨年12月の総選挙に向けたマニフェストで、エネルギー効率化に向けた支援策として長期的に92億ポンドを投じることを約束していた。
環境団体などは今回の措置を歓迎しているものの、ドイツやフランスが打ち出した気候変動に対する緊急施策と比べて規模が小さいとして、長期の投資が必要と指摘している。[環境ニュース]
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