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日産、英工場の存続に警鐘 EUへの無関税アクセス維持訴え

英国と欧州連合(EU)の間で貿易協定がまとまらなければ、日産自動車が英イングランド北東部に構えるサンダーランド工場の存続が不可能になる――。同社のアシュワニ・グプタ最高執行責任者(COO)が3日、英公共放送BBCのインタビューで、こうした考えを明らかにした。EUは同工場の最大の顧客であり、EU市場への無関税アクセスが失われれば、同工場へのコミットメントを維持できなくなるとしている。

同COOは「当社は英国最大の自動車メーカーであり、今後も事業の継続を望んでいる」とした上で、「関税が現行水準でなくなれば、不本意ながら事業の存続は不可能になることを、誰もが理解するべきだ」と話した。連合相手で日産に43%を出資する仏ルノーがサンダーランド工場を引き継ぐ案については、ルノーの問題であり、そうした合意は成立していないとしている。ルノーにはフランス政府が15%を出資する。

日産は先に、世界的な事業の構造改革の一環として、スペインのバルセロナ工場を12月に閉鎖すると発表したが、サンダーランド工場は維持する方針を示していた。また、ルノーと日産、三菱自動車の3社連合は新事業モデルの中で、欧州ではルノーがリーダーを務める計画を示唆していることから、サンダーランド工場の約20%の余剰生産能力をルノーが引き継ぐとの期待も生じていた。しかし、ルノーはその後、英国に生産を移転する計画はないと明言し、この可能性を否定した。

日産はサンダーランド工場の効率性と従業員の有能さを高く評価しているものの、同社の欧州市場でのシェアは3%に過ぎず、同市場を「非中核市場」と見なしている。[日本企業の動向]


関連国・地域: 英国フランスEUアジア
関連業種: 自動車・二輪車マクロ・統計・その他経済

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