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英国、封鎖措置を3週間延長 緩和焦れば「第2波」の恐れ

英政府は16日、新型コロナウイルス対策のための封鎖措置を少なくとも3週間延長すると発表した。療養中のジョンソン首相の代行を務めるラーブ外相はこの日の記者会見で、感染者の増加ペースは規制の段階的緩和にかじを切るほどには落ち着いていないとの見解を示している。

ラーブ外相は「社会的距離を保つなどの規制に現時点で変更を加えることは、感染ペースの急加速につながる」と主張。感染の「第2波」を迎えることになり、死者数も大幅に増加すると危機感を示した。

政府はこの日、スコットランドやウェールズ、英領北アイルランドの各自治政府首相を交えた危機管理委員会(COBRA)で、延長を正式決定した。外出規制の効果は出ているとする一方、病院や高齢者施設などでの感染は広がっていると結論付けた。最大野党・労働党は、延長に賛成する一方、政府に封鎖解除の戦略を公表するよう求めている。

英政府は3月23日に封鎖措置を導入。生活必需品の買い物や通院、運動、やむを得ない場合の通勤以外の理由での外出や集会が禁止されたほか、生活必需品以外の取扱店舗や公共施設も閉鎖されている。一方で、英政府が制定した新たな非常事態法は、少なくとも21日以内に1度は内容を見直すことを義務付けており、最初の期限を16日に迎えていた。

BBC電子版によると、英領北アイルランド自治政府は15日、封鎖措置の期間を5月9日まで延長することで合意。スコットランドやウェールズも延長する方針とみられる。

■「最後の別れ」ガイドライン導入へ

ハンコック保健・社会福祉相は15日の記者会見で、新型コロナウイルス感染症(COVID19)の重篤患者が亡くなる前に家族との面会を可能にする新たなガイドラインを導入すると発表した。感染リスクを抑え、いつでも別れを告げられるようにするとしている。

同相は導入の背景として、ウイルスに感染した13歳の少年が病室で孤独に亡くなった事例を挙げた。家族は自主隔離措置にあったため、面会することも葬儀に出席することもままならなかったという。一方、高齢者施設向けの別のガイドラインでは、通常時の面会は極力避けるよう伝えている。

国内の感染による死者は16日時点で1万3,729人に達し、前日から861人増加。ウィッティー主席医務官は先に、イースター休暇中に亡くなった人の報告が遅れたことから、死者数の伸びが再び加速する可能性に言及していた。


関連国・地域: 英国
関連業種: サービスマクロ・統計・その他経済社会・事件

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