ドイツ連邦統計庁は15日、2019年の実質国内総生産(GDP、速報値)が前年比0.6%増加したと発表した。2018年の1.5%増から伸びが大きく減速し、2013年以降で最低を記録。過去10年間の平均である1.3%も下回っている。
支出項目別では、家計最終消費支出が1.6%、政府最終消費支出が2.5%それぞれ拡大し、共に2018年から加速。投資を示す総固定資本形成は2.5%増えたものの、こちらは1ポイント減速した。輸出の伸びは0.9%と輸入の1.9%を下回り、輸出から輸入を差し引いた純輸出はGDPを0.4ポイント押し下げた。
GDPは、季節要因・稼働日数調整後でも0.6%拡大した。
連邦統計庁は、ドイツ経済は10年連続で成長を続けており、東西統合後で最長を記録したとコメント。公共部門の財政黒字が縮小したほか、輸出入が共に落ち込んだことが、経済成長を鈍らせたと指摘している。なお、2019年第4四半期(10~12月)のGDP速報値は2月14日に公表される予定。
独財務省は先に、2019年の財政黒字が過去最高の135億ユーロに達したと発表。潤沢な政府予備費を巡り、メルケル首相率いる保守派が法人減税を求める一方、ショルツ財務相は公共投資拡大を主張するなど、連立政権内で意見が割れている。ドイツ経済の今回の低成長を受け、公共投資への予算拡大を求める声が高まるとみられる。
※本コメント機能はFacebook Ireland Limitedによって提供されており、この機能によって生じた損害に対して株式会社NNAは一切の責任を負いません。