ドイツのメルケル首相は6日、中国を訪問し、李克強首相と会談した。中国と米国の貿易摩擦はドイツ企業にも影響を及ぼしていると指摘し、改善を促すとともに、ドイツと中国が多国間主義に注力することは、両国だけでなく世界のためになるとの認識で一致した。メルケル首相には同国の企業団が同行しており、この日は数社が中国企業との提携で合意した。
香港ではかねて、中国本土への容疑者引き渡しを可能にする「逃亡犯条例」の改定案の撤回と民主化を求める抗議デモが激化していたが、香港の林鄭月娥行政長官はこの2日前に同改定案の撤回を決定。メルケル首相はこれを歓迎するとともに、対話による平和的解決を李首相に促した。デモ隊のリーダーらはこれに先立ちメルケル首相に、中国政府に民主化の圧力をかけるよう求める書簡を送っていたが、これには直接、回答していない。
欧州航空・防衛最大手エアバスは同首相の訪中と合わせて、中国航空工業集団(AVIC)とナローボディー機「A319」と「A320」の胴体を中国で生産することで合意した。独エンジニアリング大手フォイト(Voith)は、鉄道車両で世界最大手の中国中車(CRRC)と電気バスの共同開発に向けた枠組み協定を締結。また、独総合電機大手シーメンスは中国の国家電力投資集団公司(SPIC)と、ガスタービンの開発や水素利用での協力に向けた覚書(MOU)を交わした。
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