英航空操縦士協会(BALPA)は7日、アイルランドの格安航空大手ライアンエアーの英国拠点のパイロットが8月と9月にストライキを実施すると発表した。賃金や特別手当、労働協定などを巡る交渉にライアンエアーが応じないことを理由に、パイロットがスト決行を投票で支持した。
ストが予定されているのは、8月22~23日と9月2~4日の計5日間。BALPAは、ライアンエアーには労働組合との協力関係がないほか、標準的な労働協定も欠落していると批判。公平な給与体系や年金、産休などの手当についての改善を求めている。
これに対しライアンエアーは、BALPAに加入する英国拠点のパイロットは50%未満であり、スト支持者は全体の3割に満たないと強調。米ボーイング機の納入遅延問題や英国の合意なき欧州連合(EU)離脱の恐れが重なり、パイロットが失職の危機に直面する中で取るべき行動ではないと批判し、BALPAに協議の場に戻るよう呼び掛けた。
■来年にポルトガルで拠点閉鎖へ
ライアンエアーは、来年にポルトガル南部ファロの空港拠点を閉鎖するもようだ。これにより、120人が失職の危機にさらされる。ポルトガルの客室乗務員労組SNPVACの発表を元に、ロイター通信が伝えた。
同社のマイケル・オレアリー最高経営責任者(CEO)は7月末、価格競争の激化や燃料費の高騰に伴う業績悪化を理由に、向こう数週間以内に数百人規模の人員整理を行う方針を発表。現時点でパイロット500人、客室乗務員400人の余剰人員を抱えていると説明した。[労務]
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