ドイツの政府経済諮問委員会(5賢人委員会)は7日、今年の国内総生産(GDP)成長率が1.6%にとどまるとの見通しを明らかにした。貿易環境の悪化や生産能力の頭打ちを背景に、前回3月時点の予測2.3%から大幅に下方修正。来年の成長率見通しも1.8%から1.5%に引き下げている。
ドイツの昨年のGDP成長率は2.2%の高水準を維持していた。同委は、ドイツ経済はなお戦後最長の成長期にあるものの、伸びは鈍化しつつあると指摘。クリストフ・シュミット委員長は「世界経済秩序の見通しが不透明なことや、人口の高齢化がドイツ経済にとって最大の難問となる」と話している。
政府に対しては、保護貿易主義に対抗して、世界貿易機関(WTO)ルールに基づく報復措置や各国との自由貿易協定の締結を進めるべきと提言。また、英国の欧州連合(EU)離脱については「回避することが最善」とした上で、それが不可能なら双方の経済的影響を最小限にとどめる貿易協定を結ぶべきとしている。内政面では、旧東独地域の経済復興の名目で導入されている連帯税の廃止や、デジタル企業に新税を課す案の撤回、不動産価格の高騰を制限するため住宅供給を拡大することなどを促している。[労務][EU規制]
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