英中銀イングランド銀行は10月31日に開いた金融政策委員会(MPC)で、政策金利を0.75%に据え置くことを決めた。金融資産購入による量的緩和策の規模についても、4,350億ポンドで維持している。据え置きは大方の予想通り。英国の欧州連合(EU)離脱が円滑に進めば、利上げのペースを加速する必要があると示唆している。
議事録によると、据え置きは委員9人の全会一致で決定した。中銀は8月に政策金利を0.25ポイント引き上げていた。
中銀は今後の利上げについて、「緩やかなペースで、限られた範囲において実施する可能性が高い」とあらためて強調。しかし、併せて公表したインフレ報告書では、インフレ率を目標の2%以下に抑えるためには、向こう3年に政策金利を1.5%まで引き上げる必要があるとの見方が示された。前回8月のインフレ報告書では、1%への引き上げが必要としていた。
ただ、中銀のカーニー総裁は「ブレグジット交渉の結果がどのようなものであれ、MPCの対応は自動的に決まるものではなく、いずれの方向に向かう可能性もある」とくぎを刺している。
なお、9月のインフレ率は2.4%と、8月から0.3ポイント減速したものの、依然として中銀の目標を上回っている。
■今年の成長見通しを据え置き
中銀は併せて公表したインフレ報告書で、今年の国内総生産(GDP)が1.5%拡大するとの見通しを示した。2019年の成長見通しは1.7%と前回から0.1ポイント引き下げている。
インフレ率は今後も中銀が目標とする2%をやや上回って推移し、2%に落ち着くのは2021年末との見方を示した。前回は2020年には2%に減速すると見ていた。
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