国際通貨基金(IMF)は、英国が欧州連合(EU)から合意なしに離脱する「ハードブレグジット」が現実となった場合、アイルランドの国内総生産(GDP)は最大4%押し下げられる可能性があるとの見方を示した。同国は英国との経済関係が深いため、ハードブレグジットによる打撃は英国と同水準に達するとみている。
IMFは今回、ブレグジットがEU経済に及ぼす長期的影響に関する報告書を公表。この中で、アイルランドのGDPは、英・EU間で自由貿易協定(FTA)が結ばれた場合には現状維持の場合と比べて2030年までに2.5%減、世界貿易機関(WTO)のルールに基づくハードブレグジットの場合には4%減になると予想した。これは、英国経済への影響とほぼ同等で、同国はEU加盟国の中でも最も悪影響を受けるとしている。
EU経済全体については、FTAの場合で0.8%減、ハードブレグジットならば1.5%減を見込む。ブレグジットの長期的影響は加盟国によって大きく異なり、アイルランド以外にも、オランダ、デンマーク、ベルギー、チェコなど英国との経済的な結びつきが強い国は比較的大きな打撃を被る見通し。一方、フィンランドやイタリア、スペイン、フランスへの影響は比較的低水準にとどまると予想する。[EU規制]
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