英国のメイ首相は8日、首相官邸で在英日本企業の幹部らとの会合を開き、欧州連合(EU)離脱を踏まえたビジネス環境の確保について議論した。メイ首相はEUとの特別な関係を築くという英国の立場を強調し、日本側は離脱後の移行期間設定などによる確実性の担保を求めた。BBC電子版などが伝えた。
会合にはトヨタ自動車や日産自動車、三菱自動車、ホンダなどの自動車メーカーをはじめ、日立製作所、パナソニック、エーザイ、野村ホールディングス、ソフトバンクなど18社の幹部と在英日本商工会議所の代表者らが出席。英国側からは、ハモンド財務相やフォックス国際貿易相、クラーク・ビジネス・エネルギー・産業戦略相らが顔をそろえた。
メイ首相は英国のEU離脱は大仕事だとの認識を示す一方、「重要なことは、世界の国々と自由貿易取引を結ぶ機会が得られ、日本との強固な関係も深められることだ」と述べた。日本と英国の二国間貿易は年々伸びており、日本の対英投資は2016年に465億ポンドに達したとしている。
日本企業の幹部は、EU離脱後の移行期間によって確実性が与えられることが重要だとし、移行期間後のEUとの貿易については、可能な限り関税がなく、障壁のない関係を確保するため交渉を前に進めることの重要性が確認された。
鶴岡公二駐英大使は会合後、「英国で事業を継続しても利益が出ないのであれば、日本企業だけでなく、あらゆる民間企業が事業を継続できなくなる」とコメントした。
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