英国の生産性が主要7カ国(G7)の平均を依然として下回っていることが、政府統計局(ONS)が発表した生産性国際比較で明らかになった。経済危機前の水準と比較した場合も、他国に比べて回復ペースの遅さが目立っている。
2015年の英国の生産性を他のG7諸国の平均と比較すると、就業1時間当たり国内総生産(GDP)は15.9%、就業者1人当たりのGDPは16.6%それぞれ下回った。1時間当たりの生産性が最も高いのはドイツで、2位はフランス。1人当たりの生産性は米国がトップで、イタリア、フランスが続いた。英国はそれぞれワースト3位と2位で、いずれの場合も最下位は日本だった。
経済危機が始まった2007年を基準に比較すると、英国の1時間当たりの生産性は0.6%上昇。1人当たりの生産性も同じく0.4%上向いた。米国は2007年以降、共に改善傾向が続いているのに対し、イタリアは同年の水準を共に下回り続けている。
2007年までの10年間の平均値とそれ以降を比べた場合、英国の1時間当たりの生産性は2015年時点で15.2%低い水準で、他のG7諸国の平均7.5%を大きく下回り、主要7カ国で最低となっている。英国は2000年代初頭まで他国との生産性のギャップを縮めつつあったが、経済危機後は差が広がっている。
専門家は、「英国の生産性は他の先進国から後れを取り続けており、企業が訓練に適切な投資をしない限りこれは改善しない」と指摘し、見習制度の活用を推奨している。[労務]
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