• 印刷する

ムスリム女性、ドイツの労働市場で差別浮き彫り

ドイツで中東などからの難民の大量流入が問題となる中、同国の労働市場でムスリム女性に対する差別が浮き彫りになっている。中東系の名前を持つ人やスカーフを着用する人の雇用機会は、そうでない人に比べて明らかに少ないようだ。労働市場に特化した独調査会社IZAが20日が発表した最新調査で、このような結果が明らかとなった。

IZAは、オーストリアのヨハネス・ケプラー大学のドリス・ワイクセルバウム教授と共同で調査を実施。(1)ドイツ系の名前(2)トルコ系の名前(3)トルコ系の名前とスカーフ着用の顔写真——と条件を変えた同じ経歴の女性の履歴書を企業に送付した。ドイツでは日本と同じく、履歴書に顔写真を添えるのが通例となっている。

その結果、ドイツ系の名前では面接に呼ばれた人の割合が18.8%だったのに対し、トルコ系の名前では13.5%。スカーフ着用の場合は、わずか4.2%にとどまった。IZAは、トルコ系ムスリムの女性はドイツ系の女性に比べ、4.5倍の数の履歴書を送らなければ面接の機会が得られないと指摘。巻き方がより伝統的な場合、チャンスはさらに限られると分析している。

ワイクセルバウム教授は「西洋社会で、ムスリムの女性がどのように扱われているかの議論はほとんどなされていない」とコメント。労働市場統合への障壁を下げるべきだと訴えている。[労務]


関連国・地域: ドイツオーストリアトルコ中東
関連業種: マクロ・統計・その他経済雇用・労務社会・事件

その他記事

すべての文頭を開く

「純ドイツ製」旅客機を公開 27年後半の運航開始へ、準備加速(06/02)

VWのCEO、巨額の対米投資を示唆(06/02)

独、テック大手に10%のデジタル課税も(06/02)

YKKAP、ドイツに欧州拠点設立(06/02)

インフレ率、5月は2.1%で横ばい=速報値(06/02)

小売売上高、4月は1.1%減少(06/02)

独ハリボー、オランダでグミ回収=大麻混入(06/02)

経済刺激策、7月上旬までに 初の与党協議、60項目で合意(05/30)

RIC、独シーメンスと再生エネ推進で協業(05/30)

独、ウクライナの長距離兵器生産を支援(05/30)

すべての文頭を開く

※本コメント機能はFacebook Ireland Limitedによって提供されており、この機能によって生じた損害に対して株式会社NNAは一切の責任を負いません。

の記事は有料サービスご契約者様限定記事です。契約すると続きをお読みいただけます。契約されている方は、画面右側にある各種ログインからログインください。
無料トライアルはこちら
購読申し込みはこちら

NNAからのご案内

各種ログイン