ドイツ北東部メクレンブルク・フォアポンメルン州で4日実施された州議会選挙で、ユーロ圏解体と反難民を訴える「ドイツのための選択肢(AfD)」が躍進し、社会民主党(SPD)に次ぐ第2党となった。メルケル首相率いるキリスト教民主同盟(CDU)は過去最低の得票率に沈んだ。同州はメルケル首相の地元で、今回の敗北は来年9月に総選挙を控えた政権には大きな痛手となる。
各党の得票率は、SPDが30%と第1党を維持し、AfDは21%、CDUは19%で第3党に転落した。CDUは同州で2006年からSPDと連立を組んで与党を形成しており、これは維持される見通し。同州の議会選挙は、2週間後のベルリン市(州と同格)の議会選挙とともに来年の総選挙の試金石と見られていた。
CDUのタウバー幹事長は選挙結果について、「かなりの数の有権者が不満と抗議の声を示そうとした。これは難民をめぐる議論の中で分かっていたこと」と認めた。同州で受け入れた難民は少ないものの、治安などの面から政府の難民政策に対する不満が高まり、これが大きな争点となっていた。AfDは結党からわずか3年だが、今回の勝利により16州の議会のうち9州で議席を確保したことになる。今回の成果については「メルケル時代終焉の始まりかもしれない」と満足感を示している。
※本コメント機能はFacebook Ireland Limitedによって提供されており、この機能によって生じた損害に対して株式会社NNAは一切の責任を負いません。