ロンドンのビクトリア&アルバート美術館で開催中の「コールド・ウォー・モダン」。第2次世界大戦直後から1970年まで、「鉄のカーテンの両側」をそれぞれ象徴するデザインやアートを集めた企画展だ。
ソファや食器から建築物の模型に至るまで、展示品は多種多様だが、1つのストーリーラインに基づいて陳列されている。戦争と殺戮への反省、社会主義に対する期待と反目、核戦争の恐怖、宇宙と未知なる世界へのあこがれ。過去の否定と未来への思いが、革新と歪みを生み出す。
そこで考えさせられる。人類は今、過去の何を否定し、未来に何を見ているのだろう?将来、「21世紀初頭」が検証の対象となったとき、「この時代の人々は、テロと気候変動による地球滅亡の恐怖におびえていた」――そんなストーリーラインが組まれるのだろうか。(玲)
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