英国の予算責任局(OBR)は8日、公的債務の拡大で将来起こりうる打撃への対応能力が大幅に低下しており、財政が「深刻なリスク」に直面していると警告した。政府による近年の財政政策は「限定的かつ一時的な成果」にとどまり、長期的には持続不可能と指摘している。
OBRは財政リスクと持続可能性に関する最新レポートで、英国の公的債務は1960年代以降で最高水準に達しており、さらなる増加が見込まれると指摘。経済の停滞や高金利を理由に、財政問題への対処はより困難になっていると分析した。
同局によると、英国は現在、先進36カ国の中で6番目に高い債務を抱えるほか、財政赤字は5番目、借り入れコストは3番目に大きい状況。現行の政策を維持した場合、政府債務は2070年までに対国内総生産(GDP)比で270%に達する見通しで、公的年金支出についても、70年代初頭には対GDP比で7.7%まで拡大する可能性があるとした。
リチャード・ヒューズ局長は「英財政は長期的には持続不可能な状況にある。国民に約束した数々の約束を履行する余裕はない」と述べた。財務省の報道官はこのレポートについて、「指摘されている長期的な経済的現実を認識している」とコメントしている。
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