英国政府は23日、経済成長の促進を目的とした2025~35年の産業戦略を発表した。8つの高成長分野を掲げ、企業向けエネルギー料金の引き下げや労働者の能力向上に対する投資、ビザ(査証)・移民制度の改革などを実行する。
高成長分野として指定されたのは、◇先端製造業◇創造産業◇ライフサイエンス◇クリーンエネルギー◇防衛◇デジタル・テクノロジー◇専門的・事業向けサービス◇金融サービス――の8産業。政府はこれらの分野をすでに強みとして捉えており、さらなる成長加速の可能性を秘めていると説明した。
27年からは、電力消費の多い製造業者をはじめとする7,000超の国内企業を対象に、エネルギー料金を最大25%引き下げる。国内の製造業は米国の関税政策などを受けて苦境に立たされており、支援を求める声が上がっていた。対象企業や免除に関する詳細は2年間の協議を経て決定される。
戦略にはこのほか、労働者のスキル向上と外国人労働者への依存軽減に向けて28~29年度までに年間12億ポンドを追加で投じる計画や、ビザ・移民制度改革を通じて「グローバルエリート人材」を呼び込む計画が含まれる。29~30年度までに研究開発(R&D)分野への投資額を年間226億ポンドに増額する方針も示した。
レイノルズ・ビジネス貿易相は「エネルギーコストの削減とスキル不足の解決は企業側からの最も重要な要求で、企業が直面している最大の課題だった。政府はこの声に耳を傾けてきた」とコメントした。[労務]
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