米国のトランプ大統領は16日、英政府と合意した貿易協定の一部発効に向けた大統領令に署名した。航空宇宙関連の製品は関税をゼロとするほか、自動車は年間10万台を上限に税率を27.5%から10%に引き下げる内容で、いずれも6月末までの実施を予定する。一方、鉄鋼・アルミニウムについては詳細は示されておらず、英政府は無関税を目指して協議を続けていく方針を示している。
トランプ大統領と英国のスターマー首相は、カナダで開かれた先進7カ国(G7)首脳会議(サミット)に合わせて会談。トランプ氏は署名後に記者団に対し、「これは双方にとって公平な協定で、多くの雇用と所得を生み出す」と述べた。
協定が発効すれば、英国製のジェットエンジンや航空宇宙関連部品は関税が免除される。英国は引き換えに、米国からの牛肉やエタノールの輸入を拡大する。また、両国の政府は鉄鋼・アルミ関税もゼロを目指すことで合意しているが、医薬品については方針がまとまっていない。
米国は英国からの鉄鋼・アルミ輸入への関税撤廃の条件として、サプライチェーン(供給網)から中国を排除することや原材料の国産化を要求。英紙ガーディアンによると、米国側は中国・敬業集団が関税回避に子会社の英鉄鋼大手ブリティッシュ・スチールを利用しない保証も求めているとされる。
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